夜中に何度もトイレに起きてしまい、寝不足や体調不良を感じている方は多いのではないでしょうか。夜間頻尿は加齢に伴うものと思われがちですが、実は日頃の生活習慣や体のケア次第で改善が期待できるケースが多いことがわかっています。NHKの人気番組「ためしてガッテン」でも取り上げられ、注目を集めた夜間頻尿の原因と対策について、今回はその動画内容をベースにしながら、さらに信頼できるツボ療法や生活改善の方法を分かりやすく解説します。
夜間頻尿の原因は「ふくらはぎの水分」？
従来、夜間頻尿は膀胱や尿道のトラブル、加齢に伴う体の変化などによるものと考えられてきました。しかし「ためしてガッテン」で紹介された実験によると、その多くは「ふくらはぎ」に溜まった水分が関与していることがわかりました。
「夜間多尿」とは何か？
番組では、若者と高齢者が同じ生活を送り、その尿の排泄パターンを比較しました。結果、若者は日中に摂った水分の大部分を昼間に排出しましたが、高齢者は一部の水分がふくらはぎの皮下組織（間質）に溜まり、寝ている間に血流に戻って尿として排出されるという現象が起きていました。
この現象は「夜間多尿」と呼ばれ、夜間頻尿の原因の約8割がこのタイプに当てはまるという解説があります。つまり、日中脚に溜まった水分が夜間に血液に戻って尿となり、夜中の頻繁なトイレ起きに繋がっているのです。
なぜふくらはぎに水分が溜まるのか？
長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢、運動不足などによって、脚の静脈やリンパの流れが滞りやすくなります。これが水分の皮下組織への滞留を招き、血液循環のバランスが崩れてしまうのです。特に加齢により血管や筋肉の働きが低下すると、ふくらはぎのポンプ機能が弱まり、水分が戻りにくくなります。
ガッテン流！ふくらはぎケアで夜間頻尿を改善する
夜間頻尿の改善に効果的とされたのが、ふくらはぎの水分滞留を防ぐケア方法です。中でも弾性ストッキングの利用と就寝前の脚の挙上が推奨されています。
弾性ストッキングで脚の水分をためない
弾性ストッキングとは、ふくらはぎ周辺に適度な圧力をかけて血液やリンパの流れを促進する着圧服の一種です。日中の着用により、
| メリット | 具体的効果 |
|---|---|
| 水分の滞留を防ぐ | 皮下組織に水が溜まるスペースを減らすことで、脚に水分が貯まりにくくなる |
| 血流促進 | ふくらはぎの静脈やリンパの流れが良くなり、余分な水分が循環系に戻るサポート |
| 疲労軽減 | 脚のむくみやだるさが軽減し、日中の活動が楽になる |
ドラッグストアや専門店で購入でき、立ち仕事や座りっぱなしの方に特におすすめです。着用は起きている間のみで、寝る時には脱ぐのが基本。無理なく続けられる習慣づくりがポイントです。
脚の挙上で水分を戻す
寝る前に脚を心臓よりも15～20cm高く上げて休む方法も効果的です。クッションや座布団を用い、30分ほど脚を高く保つだけで、滞留していた水分が重力の力によって血管に戻りやすくなります。
このケアはテレビを見ながら行うなど、日常生活の中に取り入れやすいのが魅力。特に夕方以降に行うことで夜間のむくみや頻尿を軽減できます。
頻尿に効く5つのツボ押しで血流を改善しよう
「ためしてガッテン」では直接のツボ紹介がありませんでしたが、信頼ある医療・健康情報をもとに頻尿改善に効果的なツボをまとめました。これらのツボ押しは血流や膀胱・腎臓の機能を調整し、夜間頻尿の緩和に役立ちます。
中極（ちゅうきょく）
おへそから指4本分下に位置するツボで、膀胱の働きを整える作用があります。仰向けに寝て、指の腹で押す方法がおすすめ。一回5秒程度押し、5回繰り返しましょう。
腎兪（じんゆ）
腰のウエストラインに手を当てたとき、親指が背骨の両側に触れる部分です。腎臓の機能を調整し、体の疲れや冷えにも働きかけます。ここもゆっくり5秒押して5回繰り返すと効果的です。
湧泉（ゆうせん）
足の裏、足の指を軽く曲げたときのくぼみに位置するツボ。腎臓や膀胱の働きを活発にするとされ、両手の親指でグッと押すのがポイントです。左右の足にそれぞれ行いましょう。
三陰交（さんいんこう）
内くるぶしから指4本分上のすねの内側にあるツボ。体の「気・血・水」のバランスを整えるとされ、頻尿だけでなく女性の特有の不調にも良い影響を与えます。
膀胱兪（ぼうこうゆ）
背骨の両脇、骨盤上部に手を当てたとき親指が触れる場所です。膀胱の機能向上に役立ち、尿もれや頻尿の改善に効果的とされています。
具体的なツボ押しのポイント
ツボ押しを行う際のポイントは以下の通りです。
| ポイント | 詳細説明 |
|---|---|
| 強さ | 痛みを感じる手前の適度な圧力で押す。強すぎないことが大切 |
| 時間 | 1か所につき5秒程度押し、これを数回繰り返す |
| 頻度 | 1日に数回、特に夕方から夜までの間に続けると効果的 |
| 体勢 | リラックスできる姿勢で行う。仰向けや座った状態がやりやすい |
続けていくことで徐々に血流や内臓の調整が期待でき、夜間頻尿の症状軽減に繋がります。
まとめ：ふくらはぎケアとツボ押しの組み合わせが効果的
夜間頻尿は単なる年齢によるものとあきらめがちですが、ふくらはぎの水分滞留を解消することで大きな改善が見込めます。「ためしてガッテン」が紹介した弾性ストッキングの着用や脚の挙上は、簡単かつ効果的な方法です。
さらに、ツボ押しによる血流や膀胱・腎臓の働きの調整をセルフケアとして組み合わせることで、より快適な夜の眠りを取り戻せます。
とはいえ、症状が長引く場合や生活改善だけでは不十分な場合は、専門の泌尿器科医に相談することが大切です。自分に合った方法を見つけて、無理なく続けていきましょう。
毎日のちょっとした習慣が、夜間頻尿の悩みからあなたを解放してくれるはずです。
